迎えられたのは祖母の部屋。
お気に入りのソファに座ると、テーブルのお菓子が目に入った。
まるで此処に誰か来るのを知っていたかのようだ。
「時間も、紅茶もたっぷりあるからね。とっておきの話をしてあげるよ。」
成長したはずの僕を見ても驚く様子もなく、
かつてと同じくゆったりした動作で紅茶をついでいる祖母に安心して、僕はソファに背を預けた。
「ご覧、あの森を―」
長い夜が始まった―。
「魔女や魔法使いと呼ばれる存在は、どうしてあるのだと思う?」
突然投げ掛けられた問いに首を傾げる。
「人間離れした術を使う種族だから…じゃないの?」
「あぁ、そうさ。種族、普通とは違うから、分けられて名が付けられた。
でもね、彼らが人間であることに変わりはない。世の見方が間違ってるのさ。」
穏やかだった祖母は急に顔を引き締めた。
僕も全身を緊張させた。
「でもね、彼女は本物の魔女なのさ。」
祖母は窓の外を見た。
暗くて雨が降っていて、何も見えないはずだった。
しかし彼女には見えているのだろう。
魔女の森が―
5に続く
お気に入りのソファに座ると、テーブルのお菓子が目に入った。
まるで此処に誰か来るのを知っていたかのようだ。
「時間も、紅茶もたっぷりあるからね。とっておきの話をしてあげるよ。」
成長したはずの僕を見ても驚く様子もなく、
かつてと同じくゆったりした動作で紅茶をついでいる祖母に安心して、僕はソファに背を預けた。
「ご覧、あの森を―」
長い夜が始まった―。
「魔女や魔法使いと呼ばれる存在は、どうしてあるのだと思う?」
突然投げ掛けられた問いに首を傾げる。
「人間離れした術を使う種族だから…じゃないの?」
「あぁ、そうさ。種族、普通とは違うから、分けられて名が付けられた。
でもね、彼らが人間であることに変わりはない。世の見方が間違ってるのさ。」
穏やかだった祖母は急に顔を引き締めた。
僕も全身を緊張させた。
「でもね、彼女は本物の魔女なのさ。」
祖母は窓の外を見た。
暗くて雨が降っていて、何も見えないはずだった。
しかし彼女には見えているのだろう。
魔女の森が―
5に続く
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