サキ:どうしてお前は俺といるんだ?
クオ:何さ、急に…。気持ち悪い…
サキ:気持ち悪いはないだろ…。フツーに聞いただけだろ?
クオ:前に立ち寄った街で会った老人に“過去は振り返るな”なんて言ったのは君だよ?
折角元気になったお年寄りの気持ちを踏みにじるつもりかい?
サキ:…今は振り返る時なんだー!!
クオ:ほら、また無理矢理過去の発言を曲げちゃう。自分の発言には責任を持たないと。
だから、君は勇者としてまだまだ未熟なんだ
サキ:うるさーい!!いいからさっさと教えろ!!俺と離れたがってる癖に、俺といる訳を!!
クオ:(…ホントのことなんて言えないよ)
~数年前~
子供:お前となんて遊べるか!
子供:一緒にいるだけでケガしちまうんだ。魔力が高いからっていい気になってさ!
子供:もう近寄んなよ!
クオ:……。
サキ:何やってんだよ、可哀想じゃねぇか
クオ:…!?
子供:化け物に可哀想もなにもあるもんか!
サキ:同じ人間だろ?魔力が高いなんて、良いことじゃないか。俺は魔法なんてさっぱりだしな
子供:なら、そいつを連れて行けばいいだろ!どうせ村の厄介者なんだから!
子供:そうだ、そうだ!お前なんか出て行けばいいんだ!
サキ:あーあ、言うだけ言って帰りやがった。…で、お前はどうするんだ?
クオ:…どういうこと?
サキ:此処で肩身狭い思いしたまま過ごすか、俺と一緒に来るか
クオ:…いいの?僕なんかが一緒に行っても…
サキ:当然だろ。仲間が増えるのは大歓迎だしな!あ、俺はサキっていうんだ。お前は?
クオ:…クオ
サキ:そっか、クオか!よろしくな!
クオ:…触らないでくれる?単純そうなのがうつるから
サキ:……。
サキ:思えばあの時から、お前はこんな態度だったもんなー。最近じゃ悪化してるが…
だからかな?勢いで連れてきちまったけど、良かったのかなって思ってさ
クオ:何を今更。…良かったんだよ。僕の居場所はもう此処なんだから…
サキ:…クオ、お前…ちゃんとそう思ってくれて…
クオ:僕がいないと、サキは本当に孤独な勇者として可哀想な人生を歩むことになっちゃうからね
サキ:…クオ、お前やっぱ変わらないな
クオ:(君だけなんだ…僕を僕として受け入れてくれたのは…)
~終わり~
蛇足っぽいあとがき。
何気に後半は手を加えたけど、ほとんど内容は当時のものです
もう打ってて何度も逃げ出したくなった…。
そうそう、蛇足という名の設定の話をしようか。
クオは生まれつき魔力が高く、時々コントロール出来ずに村に迷惑かけてたりしたの
そんで村から厄介者扱いされていた訳です
両親も早くに亡くしていたため、味方がいなかったんですねー
一応、今後登場予定のカインたちとは上手くやってたみたいですが。
それでもギルの左目のことがあってからは、ギクシャクしたんだよ、きっと。
そんな中で出会ったのが旅で村に立ち寄ってたサキ
魔力が高い故のリスクとか知らない彼がクオの危険性を否定したことで、救われたんだよ
化け物じゃなく、人として見てくれた。仲間と呼んでくれた。
口じゃ色々言ってるけど、心の中ではちゃんと感謝しているという妄想を詰め込んだ結果。
何気にいつも「キミ」と呼んでいるサキを珍しく名前呼びさせたのもわざとです
中々本当の気持ちが伝えられないクオなりの素直になってみた部分って感じかな
久々だったので色々と調子に乗りました、ごめんなさい。
ホント長々とすみませんでした!!